センシメディア微生物迅速検出法で培養状況がグラフで表示できるようになったということは、その状況を数値化して可視化できたことを意味しています。標準菌株を使用すれば、液体培地の性能をかんたんに把握して評価することができます。下図は大腸菌群検出用液体培地の性能評価法を示しています。
この方法によりセンシメディアに採用されている液体培地もその性能が把握され、検査キット用として開発されています。大腸菌群検出用に用意されているセンシメディアの液体培地の性能を下図に示します。
グラフの直線(近似値線)が用具の種類(液体培地の種類)によって上下にシフトしているのは、正確な菌数を把握してグラフの直線にオフセットをかけたこと(補正したこと)によるものです。例えば、希釈系列の10の2乗(1×10^2)の試料だと想定してデータを収集したら実際は 80(0.8×10^2)だったときは、係数の1を0.8にしてその系列グラフ直線全体を下方にシフトさせます。
希釈系列は10倍ずつの希釈をしていますのでグラフは縦軸が10の対数目盛りになっていますが、2倍2倍の希釈系列の希釈データでもこの直線に重なります。
同じ条件でデータ収集を行えば、違う場所で異なる人がデータを収集しても同じ結果が得られますので、グラフそのままで性能を比較できます。
データ収集の仕方につきましては、
・ センシメディア ブランク (SM000)を使用し、液体培地を4ml添加する
(※ 検出対象微生物用の液体培地4mlを入れたものがSMシリーズです。)
・ 試料は、1ml添加する (SMシリーズの場合は試料1mlを添加するように設計されています。)
というようにすれば、菌数で補正をかけたグラフそのままで、異なる試験日や試験場所でのデータでも比較ができます。
(計測単位に実感はわかないと思いますが、設定されたセンサーのCO2吸着量がこれになります。)
微生物数を確認しないで培地の性能を比較確認する場合は、標準液体培地を使用した希釈系列のデータを同時に収集して同じグラフに表示させます。
(これは、基準(コントロール)に対する相対的な評価になります。)
センシメディアの製造では標準菌株を使用して製造ロットごとにデータ収集し、グラフで性能を確認して品質管理をしています。
液体培地の開発をしているとき、標準菌株でデータ収集した培養性能グラフを使用すれば、1リットルに数mg 添加するような添加剤(aditive)の効果がよく分かりますので、培地性能の微調整ができます。
希釈系列の検出時間を計測するには センシメディア用 Biomatic VDCS を使用すれば培養をスタートし、自動的にグラフも作成できますが、エクセルのセンシメディア性能グラフをダウンロードして検出時間を記入すればグラフを手作業でも作成できます。
(試験管立てに入れたセンシメディアの希釈系列をウォータバスで培養しながら、カメラで画像を撮り、後に検出時間を求めてグラフに記入します。)
詳しくは、お問合せください。