Time-lapse Shadow Image Analysis achieves faster agar culture method
No.14(2016)より転載
マイクロバイオ株式会社
小川廣幸
Hiroyuki Ogawa
MicroBio Corporation
はじめに
生きている微生物を検出するには,適当な寒天培地に試料を添加して一定時間培養する。その結果,コロニーが形成されるならば,生菌がいたと判断される。コロニーの形成は目視で確認される。このような寒天培地を利用する培養法が細菌学者コッホにより確立されて以来,百数十年という長い歴史を越えてこの方法が存続していることは,生きている微生物を一細胞単位で精確に検出することがいかに困難であるかを意味し,寒天培地培養法がいかに有効かを示している。
しかしながら,この方法は,検査に長時間を要する。生きている微生物を扱う検査現場では,非能率的な作業が伴う寒天培地による目視検査が検出の確実性から主力としてまだ使用されているような現状である。このため,培養法による検査の時間短縮が望まれている。
実際,検査時間短縮の要望に応えるべく,培養を必要としないさまざまな迅速法が提案,開発,導入されてきたが,培養法が簡便でランニングコストが低い実用的な検査システムに代わることはなかった。迅速法の中には,限定された条件の下で,自主検査の目的に実用されている例はあるが,培養法以外の方法を法令として定めていく制度がないために,輸出入の現場や国内でも法令遵守のために利用されるようになった例は皆無である。したがって,たとえ迅速化を目指すためとはいえ,培養法に基づかない方法では,最終的に社会的要請に応える試験法にはならない現状である。検査試料中に含まれる一般生菌数検査を例にとれば,日本薬局方や食品衛生法に基づく公定試験法(公定法)に準じて“正確”に,かつ“迅速”に計数する方法の開発が,製薬・化粧品・食品業界をはじめとして社会から強く要請されているため,公定法としても採用されるような,しかるべき検査用具や機器を提供し,生菌を,簡便に,速く検出できるようにすることは,社会的な急務となっている。
図1 目視検査から全自動迅速微生物検出装置へ
「タイムラプス影像解析法(Time-lapse Shadow Image Analysis)」は,微生物検査の標準参照法である培養法に用いられる寒天培地を,「生きている微生物を感知する使い捨てのセンサー」として位置づけ,培養しながら,形成されるコロニーを,寒天培地シャーレ全体をミクロレベルで継続的に観察して迅速にコロニーを検出し,自動的にその実数を計数する方法である。言い換えれば,寒天培養法を全自動化して迅速化する(図1)とともに,検査を数値化するものである。この解析法により,手作業の目視検査である従来からの寒天培地培養法は,近年の格段に向上したデジタルカメラの解像度の恩恵と,著しく向上したコンピュータの処理速度とデジタルデータの保存能力の恩恵を受け,生菌を迅速に検出して精確に自動計測するシステムに転換されたのである。
本稿では,培養法を全自動化して検出・計数を迅速化した「タイムラプス影像解析法」と,それに基づいて開発された全自動迅速微生物検出装置MicroBio μ3D とその基本性能を紹介する。
1.タイムラプス影像解析法に基づく全自動迅速微生物検出装置 MicroBio μ3D 概念
この装置(図2)は,検査スタート時から寒天培地を培養しながらミクロのレベルでコロニーが出現してくるのをモニターして計数し,コロニーカウントグラフを自動的に作成するというものである。一定時間間隔ごと,例えば30分ごとに出現してくるコロニーをモニターするため,シャーレ全体の影像をミクロンレベルの解像度で取得してリアルタイムの生菌検出を実現している。マイクロコロニー検出時には自動的にe-mailや電話連絡をすることができる。測定に用いる試料は,表面塗抹法,混釈法あるいはメンブレンフィルター法,いずれの方法にて調製されたものでも用いることができる。この方法は,従来の培養法そのままで,寒天培地シャーレを試料として装置にセットして検査をスタートするだけで,全自動で迅速に微生物検出とコロニー計数を実施する。
図2 タイムラプス影像解析法に基づく全自動迅速微生物検出装置 MicroBio μ3D 概念
この装置は,以下のような特徴をもっている。
2.全自動迅微生物検出装置 MicroBio μ3D ハードウエア・ソフトウエア
MicroBio μ3D 装置を紹介する。本装置は100検体が同時に検査できる実用的な機器として設計されていてインキュベータとコンピュータのシンプルな構成(図3a)からなる。インキュベータは寒天培地シャーレ5枚を装填できるトレイ(図3b)が収容される加温プレートが20段棚状に設けられている。影像取得機構はカラーカメラ5台を撮影ブロックにし,このブロックを上下に移動させる機構とトレイを撮影部(図3d)に移動させる機構に汎用ロボット(図3c)を採用している。タイムラプス培養モニターと検出影像解析は装置コンピュータの検査ソフトウエアで管理処理され,ロボット制御と温度制御はシーケンサーのファームウエアに組み込み,コンピュータからは最小限のコマンドで目的動作が達成できるようにしてある。コンピュータの主要処理は画像解析となるため,CPUは3GHz以上,メモリーは3GB以上,ディスク容量は数百GB程度以上のものを採用し,画像解析を含む装置ソフトウエアは関数ライブラリーを利用して高度な関数を組み合わせて複雑な概念を的確に効率よくプログラムしてある。試料として寒天培地シャーレ100枚をセットできる培養機構には画像取得機構も装備し,タイムラプス計測で取得された影像データはべて自動的に保存され,検査中でも必要なときは,時間を遡って検証できる。検査終了後においても検査を何度でも再現できるように,シミュレータプログラムが用意されている。
図3 MicroBio μ3DTMの構成(主要ハードウエア)
a. インキュベータ部(トレイ用20段)とコンピュータ
b. トレイ(寒天培地シャーレ5枚装填可能)
c. トレイ搬送ロボット部 d. 影像取得部
作業とデータのコンピュータ管理化の一環としての機能も装備している。本装置の微生物検出の迅速性はミクロンレベルの観察とタイムラプス計測による生菌のリアルタイム検出により達成している。検出結果を即時に知らせるため,検出時には装置から携帯電話などに自動通報できる。スマートフォンなどにはコロニーの検出箇所情報と画像を添付したe-mailも転送できる。検出時にはコロニーのサイズはμmレベルであるため目視確認が困難であるが,スマートフォンには操作が容易な拡大機能があるので微小コロニーでも容易に確認ができる。装置から生菌検出の警報を受けたとき,または,検査状況を確認したいときなどは,エミュレーションソフトウエアを利用して,検査装置コンピュータを他のコンピュータから遠隔操作もできる。インターネットを利用すれば,どの場所のコンピュータからでも遠隔操作ができる。検査結果は,寒天培地シャーレ画像とコロニー計数グラフの1枚の画像データセットとして電子ファイルに自動的に保存され,リアルタイム検査データとして,LANやWi-Fiを介し全体を管理するコンピュータ管理システムへの入力データとしても提供できる。
3.タイムラプス影像解析法の概念と基本性能
従来からの寒天培地培養法では試料を培養し,寒天培地に微生物が増殖して目視観察できるコロニーが形成されることを確認することで生菌を検出したとして扱われる。
人間が判断する検出の確実なこの従来法を迅速な自動検出システムに転換するため,この解析法は,以下のような概念を採用している。
(1)影像取得とピント合わせ操作
試料を混釈した寒天培地シャーレを培養しながらモニターし,コロニー影像を取得するとき,直径約90mmのシャーレ全域について視野を確保しながら寒天の厚みが3mmの各層に存在するコロニー影像のすべてに同時にピントを合わせて観察する必要がある。つまり,拡大する以前に,広視野を確保しながら複雑な操作なしに3mm程度の深度方向すべてに存在するコロニーに同時にピントを合わせる操作が必要となるのである。これには色収差の大きいレンズを用いて波長の違いで結像位置にズレを故意に生じさせる方法を利用する。図4に示すようにカメラと光源を配置し,白色光が寒天培地シャーレ全体を通過するような構造にする。白色光をコロニーが受けるとコロニーの背後に影を作るが,混釈したときには寒天内部で3mm程度の深度にわたる各層がそれぞれスクリーンの役目を果たす。スクリーン層が深度方向に数mm以上の距離の隔たりがあってもカラーで撮影することにより色波長ごとに同時にピントを合わせることができる。つまり各色波長によりそれぞれ深度距離の異なる各層にピントの合ったカラー影像が一度の撮影で取得することができる。このカラー影像をコンピュータに転送してモノクロのグレースケール画像に変換することにより,広視野を確保しながら各深度にわたる寒天層にピントの合った3D影像が取得できる。このようにして撮影されて変換された2次元のモノクロ写真はすべてのコロニーにピントが合っており,3次元影像グラデーション情報を持つデータとなる。このとき,凸レンズは拡大をするために使用しているのではなく,広視野を保ちながら,コロニーを含むすべてにピントを合わせる目的で使用している。
図4 影像取得機構
レンズの色収差を利用して,広い視野を確保しながら培地の各深度に
ピントを合わせる。取得影像は,3次元情報をもっている。
(2)2D影像の3Dデータへの変換
コロニーの3D影像を得るには,取得したカラー2D影像をグレースケール画像に変換するだけでよい。2D影像はレントゲン写真のような透過影像であるが,これをグレースケール画像に変換しただけで濃度勾配の諧調をもった3D陰影データとなる(図5)。また,コロニーは1μm程度かそれ以下の1微生物が分裂して形成されたものなので,円形やディスク状であるコロニーの2D影像は,木の年輪や地層のように,時間経過の累積結果を反映した記録でもあり,光の透過度を表す3D影像では円錐状かそれに近い形状を呈し,微生物の種類によってその形状が異なることが細かくわかる(表1)。コロニーと食物残渣の3D影像を比較すると,食品残渣の3D影像は,微生物のものとは異なっており,円形(円錐状)ではなく不規則な形状をしている。
図5 2D影像の3Dデータへの変換
表1 MicroBio μ3D が取得した2D影像と3D影像
2D写真画像はコロニーカウンターなどで採用されているが,3D情報が利用できないために判定ミスを生じやすい。また,3D画像と認識できる左右画像用メガネをかけて見る両眼視差画像は,3D映像としては脳内で認識される情報を提供するものであり,X,Y情報に対してZ情報を提供するものではない。だまし絵などは,見たときに脳内で立体物に感じさせるようにした画像であり,真のZ情報は含んでいない。この解析法で採用している影像は,Z情報を含んでいるので,コロニー判定においては,3D形状を解析ソフトウエアでの判定基準として採用している。このため,コロニーなどの影像を選び,コロニー影像を上から,横から,下からと360°の解析や観察ができる(図6)。
図6 MicroBio μ3D のコロニー影像3D表示
コロニーの写真とコロニー影像との相違は,光が通過できる物体の下に増殖するコロニーの検出について顕著に現れる。微生物コロニーが薄い物体,例えばハンバーグ片の下に存在しているような場合でも透過していく光による陰影はコロニーが濃くなるとこれを影像データに反映させるので,容易に検出が可能となる(図7)。通常のカメラ写真はこのような3次元情報をもっていないので立体的な画像解析はできない。言い換えれば,肉片の下のコロニーは目視では確認できず,画像には写り込まない。この解析法によれば,このようなコロニーも検出できる。
図7 MicroBio_μ3D が検出した薄い肉片(ハンバーグ片)の下のコロニー
(3)拡大効果をもつX-Y分解能
CCDイメージセンサーは,ミクロンオーダーの受光素子がアレイ状に並んだ半導体デバイスであり,デジタルカメラに使用され素子数が多ければ多いほど高画質の画像が撮影できるとされている。この解析法は,マイクロコロニーを拡大して撮影するのではなく,コロニーをそれよりも微小な多数の素子で構成されるアレイ状のCCDバックスクリーンに影像を投影して撮影する。この時点ですでに拡大した効果のある画像を取得している。目視確認のため拡大したいときは,コンピュータ画像と同じように影像を拡大すればよい。
拡大効果は分解能を上げることと同じで,観察したい部分の面積とCCDの面積によって決定される。例えば,1辺が1000素子からなる100万画素のCCD上に,辺が100mm×100mmの影像を投影したときは,1素子の解像度として100μmの精度を設定することができる(図8)。分解能を上げるには,言い換えれば解像度を上げるには,解像度の高いCCDを使用したカメラを採用すればよいが,観察する面積を小さくしてそれをCCD表面全体に写し込むことでも解像度を上げることができる。
図8 X-Y分解能
コロニー検出の計数レンジは,基本的にCCDの解像度に依存している。例にあげた装置が1コロニーを検出する感度を保持しながら数千コロニーまで計測できる検
出能力があるかの直線性を試験してみたところ,図9の結果を得た。1〜数千の菌数が確定している基準を与えられるものがないため,従来から実施されている菌試料の希釈系列を可能なレベルで使用した。1~数千の微物まで,個数レンジを対数で表示すると10倍ずつになるので,正確に計数しているといえる。数千のレンジは,正確なコロニー数は目視検証できないが,保存されたデータを遡って計数ソフトウエアにより検証することはできる。
図9 MicroBio μ3Dのコロニー計数レンジ
(4)タイムラプス計測
この解析法は,タイムラプス計測を採用し,寒天培地シャーレを装置にセットして検査をスタートすると培養を継続し,一定の時間間隔で影像を取り込んで画像解析して生きている微生物による目視確認できないレベルでのマイクロコロニーを検出(図10)しながらコロニーを計数して自動的にグラフで逐次表示していくものである。継続的に培養をモニターするということは従来法を自動化するということであり,培養法自体は変更せずに迅速なリアルタイム検出を実現することができる。
図10 タイムラプス影像計測
タイムラプス計測では,コロニーの成長過程を継続して観測するためにコロニーが重なる以前の画像情報を利用して重なったコロニーを分離識別することができる。従来法の目視検査ではこのようなコロニーの重なりを防ぎながら計数することができないため,コロニー計数単位 はCFU(Colony Forming Unit)と な っ て いる。MicroBio μ3DTM装置を使用すれば,結果の図11が示すように,目視では確認できないレベルから検出してコロニーが2個であると計数しているので,計数単位は1微生物にしてもよいことを示唆している。24時間培養後の目視検査では1つのコロニーになっているが,この装置はタイムラプス計測データを保存しているので,時間を遡って計数の検証ができ,2個のコロニーであったことが確認できる。
図11 MicroBio μ3D による重なり検出とマイクロコロニーからの分離計数
t= 8h 寒天培地全体の2D影像とコロニー2個(矢印部分)の3D影像
t=12h 寒天培地全体の2D影像とコロニー2個(矢印部分)の3D影像
t=16h 寒天培地全体の2D影像とコロニー2個(矢印部分)の3D影像
t=24h 寒天培地全体の2D影像とコロニー2個(矢印部分)の3D影像
影像解析とタイムラプス計測によるコロニーの成長検出という検出計数原理の効果によって,目視で確認不可能なほど多量な食物残渣(ハンバーグ片)のある中で4個のコロニーを正確に計数している(図12)。この例の場合,24時間の培養全体について,15時間培養時点で4個のコロニーが検出されて菌数もこれで確定している。
図12 MicroBio μ3D によるハンバーグ片の中の4個のE.coli
a. シャーレ全体の影像(赤コロニーマーカー付き)
b. コロニーマーカー
c. コロニーカウントグラフ
4.タイムラプス影像解析法に基づくMicroBio μ3D 装置の基本性能
コロニーの検出・計数について,基本的性能の例を紹介 す る。Escherichia coli ,Aspergillus brasiliensis と Candida albicans についての検出・計数の結果は,それぞれ図13~15となる。
この装置は,リアルタイム処理をしながら表示し,100枚分の寒天培地の大量なデータを保存しながら扱えるため実用的であるとともに,標準法を自動化している
だけのため,応用範囲は広範にわたる。コロニー計測をしたところ,迅速に得られた安定値(図13~15の(2))が最終の決定値(図13~15の(3))(リファレンスとされる標準法によるカウント)と同等であった。このことは,生菌検査決定の迅速性は法令遵守検査への適用可能性を示唆している。また,カビの定量試験は菌糸の影響でそれ自体が従来からの標準法では非常に難しいが,図14に示すように,黒カビ(A. brasiliensis)の精度の高い全自動計数ができている。
①E. coli検出・計数
標準菌株:Escherichia coli (NBRC 3972)
寒天培地:デソキシコレイト
培 養:35℃,24hr
検 出:32コロニー,10hr
図13E. coli 検出・計数
(2)安定値 (3)確定値
②A. brasiliensis 検出・計数
標準菌株:Aspergillus brasiliensis (NBRC 9455)
寒天培地:ポテトデキストロース
培 養:30℃,48hr
検 出:14コロニー,32hr
図14 A. brasiliensis 検出・計数
(2)安定値 (3)確定値
③C. alibicans 検出・計数
標準菌株:Candida albicans (NBRC 1594)
寒天培地:標準
培 養:32℃,48hr
検 出:782コロニー,19hr
図15 C. albicans 検出・計数
(2)安定値 (3)確定値
おわりに
タイムラプス影像解析法に基づく装置が実用化されて確立されたことにより,従来の寒天培地培養法が全自動迅速微生物検出法に転換できている。
しかしながら,微生物の検出だけを目的とするのではなく,検査終了時において,検査対象の試料中に「微生物が存在しない(何も起きない)」ことを確認できるようにするには検出の再現性(repeatability)がよいことが求められる。この解析法が「生菌のセンサー」として寒天培地を採用している以上は,その性能が検出の確実性と迅速性に直接影響する。
それでは,寒天培地の評価はどのように実施するのであろうか。寒天培地培養法が技術的に精度が高く,正確で確実だといわれているが,寒天培地を評価する方法は人手による目視検査である。そのため,培地の開発において検査対象微生物の培養に最適な組成に設定できているかは定かではない。同じように,培地の製造品質管理においても最適な性能の培地が製造できているかの確認は寒天培地培養法自体で実施している。従来法では他の微生物検査法の基準となる寒天培地培養法に使用する寒天培地の評価が目視確認するすべしかないのであるから,評価自体の精度には疑問が残る。主な理由は,寒天培地の評価の精度が作業者に依存していることである。そして,寒天培地の性能評価は,単に一定時間培養してその結果として微生物により形成されたコロニーを目視で確認していることだけに依存していることにある。性能確認が一定時間培養された結果として培地上あるいは培地内に形成された微生物コロニーを目視確認する,という極めて静的な結果にのみ依存していることであるがゆえに,培養過程において,微生物が受けた増殖に対する影響は把握できていない。
この解析法によるMicroBio μ3D 装置を寒天培地の性能評価に利用してみたところ,標準菌株試料の自動コロニー計数グラフの形状(図16)が,菌の培養状況を反映していることが示された。寒天培地培養法の培養状況を数値化して時間軸のグラフで視覚化できているので,培地評価がより確実になる。さらに,培養データを多量に扱えるシステムであれば,性能の把握が統計学的にも正確になり,評価がより確かなものにもなる。
この解析法は,培養法に用いられる寒天培地の性能を,標準菌株を使用して培養グラフを取得し,科学的に評価できる方法でもある。
図16 コロニーカウントグラフとヒストグラム (MicroBio μ3D による寒天培地培養グラフ)