嫌気シャーレをセットして、スタートするだけです。
嫌気性菌にはクロストリジウム(高温培養)や乳酸菌、ビフィズス菌などがありますが、培養しながら継続して観察することが困難でした。脱酸素剤を使用すればシャーレ1枚でも嫌気状態にすることができます。
このため、試料が添加された寒天培地シャーレを脱酸素剤と酸素インジケーターともにガスを透過しない透明フィルムのバックに一緒に封じ込めてバキュームシールし、検査試料として寒天培地用 MicroBio μ3D に セットできるように、嫌気設定キットを用意しています。飲料などの試料をろ過したフィルターを乗せた寒天培地シャーレにも使用できます。これにより、MicroBio μ3D にセットすれば、全自動で嫌気性菌シャーレと好気性菌シャーレが混在していても同時に迅速検出できます。
脱酸素法
鉄が酸化するときに空中から酸素を奪う化学反応を利用した脱酸素剤について、その性能を確認するため小型脱酸素剤により直径90mmのシャーレ内の空気から酸素の量を段階的に減らし、どの程度速く嫌気状態になるかを酸素計で実測した結果、グラフのような性能が得られています。
パウチ法
脱酸素をする代わりに、チオグリコレートを利用して酸化還元により脱酸素をするパウチ法も、パウチが収容できる特殊トレイを用いれば、MicroBio μ3D で自動検査できます。パウチは試料10mlについてパウチ法濃度の培地15mlを添加して混合できるまでのものが検査できます。トレイ1枚については、このパウチが5枚収容できます。
これまで嫌気性高温性耐熱有芽胞菌の検出には約一週間を要していました。殺菌条件が厳しく、度々食品産業で問題となる嫌気性高温性耐熱有芽胞菌の定量について MicroBio μ3D を使用して検査し、次のような結果を得ています。
Clostridium thermohydrosulfuricum はThermoanaerobacter thermohydrosulfuricusの別名です。
使用機器: MicroBio μ3D AutoScanner
試供菌株: Thermoanaerobacter thermohydrosulfuricus(ATCC35045)
寒天培地: クロストリジア寒天培地
試料形態: 混釈円形パウチ
培養条件: 60℃ 48時間培養
試験結果: 31時間で18コロニー全数検出
48時間培養後 培地影像 計数マーカー
上記のグラフは検査時にも表示できます。自動検出計数はグラフが示しているように、この例では31時間で完了しています。